逢わぬこの日も

V6にはまった2次元おたくのブログです

V6新曲『~此処から~』について思ったこと

V6がたくさんの雑誌に出て、テレビにもたくさん出て…。怒涛の供給に自分が何を追えていて、何を追えていないのかもわからなくなってきました。ありがたいことです。

 

Vファンの友人に提出したレポートをせっかくなのでここでひっそりと晒してみたいと思います。題のとおり、『~此処から~』について思ったことを自分の中で整理するために書いた文章です。

とてもきもちわるい自己満足のための文章なので、読まれる方はご注意を。

 

 

友人へ もしこの記事を見つけてしまったら鼻で笑ってご一報ください

 

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『~此処から~』感想

 

○はじめに

新曲、『~此処から~』を自分なりに噛み砕いてみる。

まず前提として。私はわりと曲の詞をよくみます。なんとなく歌詞>メロディ派。そのため新曲を6人で作詞したときいて、いったいどんな詞ができたのだろうとわくわくしていました。over信者です。ハイ。モノが手元に来たとき、はてさてどんな詞となっているのかと曲をフルで聞く前に歌詞を全部書き写してみたのです。歌詞として、というよりもまず詩を受け取ってみようという考えです。だがしかし、そうしてみるとどうも、一見ストレートなようでいてこれはなかなかファンにとって難解なのでは…、と。そしてなによりこのタイトルの意味について引っかかったので、自分なりのあれこれを文章にして吐き出して消化を試みたいと思います。なお音楽の成績が散々だった私はメロディについて『あーいのっちっぽいなー』以外何も語れません。

○全体像

 とてもとても素直な詩です。難しい言葉もない、ひねくれてもいない、それぞれが自分の言葉を使って書いたV6についての詩だ、と思いました。ことばの選択や内容で、なんとなく誰がどこを書いたのかわかります。そして全員の詞をまとめたのが井ノ原さんであるとぱっと分かるのが繰り返されるサビ部分。なおかつ歌詞にビールとか出てきちゃうあたりがいのっち。全体を俯瞰したとき、一貫性重視でまとめられているというよりも各々が書いた言葉をできるだけ生かすように作られていると感じました。言葉と内容に「個」が残っているので連歌形式のような具合です。曲として聞いていると、すっと入ってくる言葉と穏やかな曲調に流されてしまいそうにもなりますが視点がバラバラなので引っかかる部分がある。曲のままに言葉を辿っていくと、個を追うことになるので特に不自然さを感じないのですが、ひとつのまとまりとして捉えようとしたときに違和感を覚えるといった具合の第一印象でした。

○分解

バラバラならいっそよりバラバラにしてしまおうそうしよう。一人ひとりがどんな詞を書いたのか、その全容をぜひとも知りたい。書いたもの全部みせてくれ、っていうのが本音ですが今のこところそれが叶う気配はないのでとりあえず歌詞を分解してみます。基本的に歌っている人がその部分を書いた、ということになっているのでそれに則る。パートをチェンジしたとわかっているところは戻す。大雑把なまとめは以下のとおり。

坂本

長野

井ノ原

森田

三宅

岡田

・多分このまま続くんだろう 言葉にできない関係で

・必ず訪れる 明日を共に描こう

・それぞれの色が 重なり合って 見たこともない光が 僕等を導いてく

・感じた 温もりの分だけ 伝えたいけど 照れ臭いから 心に思うよ

・ビールの泡みたいに 僕等消えてしまうことだって出来たのに

 

・丁度いい距離たもちながら ユラユラと流れてきた

・けだるく挨拶しようぜ 軽く手なんかあげちゃって

(・此処からいなくならないで)

・感謝なんてしたくない サヨナラはまだ早いから

・他人 友達 家族 仲間 どこにも当てはまらない

(・此処からいなくならないで)

・気付けなかったんだ 若さのせいかな 目の前の情熱で 互いの優しさが見えなくて

・僕を変えてくれた人 優しさを教えてくれた人

・いつもの調子で行こうぜ

・いとしい後悔 背負って

・涙した夜を連れて

現在の心情と先への展望について

過去を肯定する視線での回顧

現在およびその日常の肯定

対メンバーへの思い

過去の内省

 

 (※「此処から~」部分、歌っているのは健くんですが剛くんがこのフレーズを書いている様子もSVbに映っていたため双方に記載)

こうしてみてみるとなんとなく、それぞれがどんなテイストの詞を書いたのか見えてくる気がしたので勝手にラベリングしました(井ノ原さんが年長二人は同じような内容だったとネクジェネで発言していたのでまとめました)。サビの一部にあるフレーズは一応<?>として分類(いのっちかな?)。ここで改めて内容を見直すと、先のこと⇔過去のこと、自分のこと⇔メンバーのこと、グループ⇔個人…とバラバラ。まとまりなんてないわけです。ただ、どの言葉も「現在」の時間軸の上にあることは確か。すべて「現在」から見た、過去・未来・自分・メンバー・グループについての思いが表された(著された)ものでした。

○タイトルの意味

V6にレッテルを貼りたくないんだなー過去を愛おしんでいるんだなーとか、歌詞の一字一句について取り上げていくと長くなるので割愛。一番びっくりしたというか、予想外だったというか、ウワァァってなったのがタイトルについてでした。なぜか。『~此処から~』って実はもっと騒ぐべきタイトルなのでは…?ってなったからです。はじめ、このタイトルの意味は“リスタート”“再出発”といった方向性のものかと思っていました。歌詞を2/3くらい書き写すまではそう思っていました。歌の後半一箇所にだけこの「此処から」という語句が登場します「感謝なんてしないけど 此処からいなくならないで」というとてつもない文脈を伴って。「此処からいなくならないで」…このフレーズ歌っているのは健くん(+井ノ原さん)なのですが、剛くんもこの言葉を書いていたようなのですよね…剛くんが書いたものを健くんが歌っているのか、二人ともこのニュアンスの言葉を書いていたのか…いずれにしてもこんな言葉がメンバーから発せられてメンバーに向けられるのはすごいとしか言いようがありません…尊い…。このタイトル、表記についても同様に一癖も二癖もある趣向が凝らされています。語句の前後に付随している『~』。この記号は複数の読み方が可能です。先述した「(感謝なんてしないけど)此処から(いなくならないで)」の前後を省略した形の表記としての解釈、また此処=現在とすると「(過去)此処から(未来)」の流れを表現するものとしての解釈、『此処から』と語句のみの表記にせず前後に『~』を入れてゆとりを持たせることで「此処から」の広がりを示すという解釈。素直に言葉だけを受け取って“再出発”のように解釈することも間違いではないはず。解釈の正解があるのかないのか、どこまでの意図が込められているのかは分かりませんが、とても一筋縄ではいかないタイトル。30周年くらいまでに真相が明らかになることを望みます。

○作り手と受け手

モノが作られるとき、必ずターゲットが設定され、受け手が念頭に置かれてモノが作られる。では、メンバーが“V6”を歌詞にしたこの曲、受け手として設定されたのは誰なのだろうかという疑問を持ちました。CDを購入するのがファンである以上、CDのターゲットはファンである。しかしこの歌詞の中にファンは不在です。作詞作曲をした作り手はメンバーですが、受け手はファンではないのでは。“V6”を歌詞にしたこの曲はいわば、V6によるV6のためのV6についての楽曲。かっこよくするとfrom V6 to V6 のような感じ。この曲はV6自身が作り手であり、受け手であるから、“わかる”のもV6だけなのだろうという理解です。6人だけがわかっていればいい、という形。この曲においてファンはあくまで外側にいるものでしかないのだろうと思いました。イベントでいのっちが「6人で内側向いて歌うような楽曲で~」との趣旨の発言をしたというのもそのためかと。このあたりのことは、コンサートでどのようにこの曲が披露されるのかによっても受け取り方が変わる部分ですねもし6人で輪になって内側向いて歌われたらとりあえず拝みます。

○おわりに

 V6がV6について書いた詞はとても興味深いものでした。この曲の内容では現在の視点に立って過去現在未来が書かれていましたが、いずれに対しても肯定的な言葉で言い表されています。至らなかったこともある過去を受容し、現在を首肯していて、なおかつ先への疑いがない。これは本当に「今」が良い状態でなければできないことであって、それがメンバーの総意であることが一ファンとして嬉しいです。